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日本には、自然遺産と文化遺産を合わせて26の「世界遺産」があり、おのおのが美しい景観と
独自の文化を誇っています。それらを旅しながら、日本の魅力を再発見しませんか?
今回は鹿児島県の奄美大島をご案内します。
奄美大島[鹿児島県]
世界遺産協会 常任理事
片岡 英夫さん
世界遺産検定マイスター1期生、初代海外·旅行地理名誉博士、国立公園検定エキスパート1期生。道の駅オライはすぬま観光大使。世界遺産関連の書籍監修多数。
Scene 01
鹿児島県・奄美大島とは
世界でこの島にしかいない
希少生物と出合える可能性も
奄美大島は、島の成り立ちを反映した独自の生物進化と生物多様性が評価され、2021年に世界自然遺産に登録されました。この島は大昔、ユーラシア大陸の一部でしたが、海面変化などにより大陸と分離。かつては大陸にも広く分布していた祖先が絶滅していくなか、島に隔離されたことで天敵の攻撃にさらされることなく昔の形態のまま生き残った遺存固有種や、環境に適応するよう独自の進化を遂げた新固有種が、ここには今も息づいています。
Scene 02
専門家が語る奄美大島の魅力とは
手付かずの原生林に入って
亜熱帯植物を観賞する
金作原(きんさくばる)という原生林は必見です。生きた化石と呼ばれる巨大なヒカゲヘゴなど天然の亜熱帯植物が生い茂る一帯に足を踏み入れると、太古の恐竜時代にタイムスリップした気分に。ルリカケスやアマミイシカワガエルなどの希少な生物たちにも出合えるかもしれません。また、「アマミブルー」と称される青く澄んだ海も息をのむほどの美しさです。自然以外の魅力も豊富。奄美三線、黒糖焼酎など島独自の文化に触れてみるのも一興でしょう。
美しさに定評がある土盛(ともり)海岸では一年中シュノーケリングを楽しめる。ウミガメとの遭遇率も高い
Travel Route
奄美大島の楽しみ方
一日でめぐる、
奄美大島の理想のルート
AM 9:00
原生林探検ツアー
金作原原生林をトレッキング。
複数の観光会社がツアーを用意している
PM1:00
マングローブカヌー体験
ゴジラ映画のロケ地となったマングローブ原生林をカヌーで探検。ガイド必須
PM6:30
夕日を観賞
日中のアマミブルーも絶景だが、日没時の海もロマンチック。写真は嘉渡(かど)の夕日
PM9:00
ナイトツアー
夜行性の遺存固有種アマミノクロウサギなどを観察するツアー。ホタルも見られるかも
原生林やそこに住む生物の観賞を中心にした時間割を組んでみましたが、これは一例に過ぎません。何泊もするのであれば、シュノーケリングやSUP(スタンドアップパドルボード)などのマリンスポーツに興じる一日を設けてみるのも良いでしょう。そのほか大島紬(おおしまつむぎ)や黒糖作りの体験ツアーや、さっぱり風味が癖になる名物グルメの鶏飯(けいはん)、そして沖縄三線とは一味違った奄美三線の生演奏を聴ける居酒屋など、この島のお楽しみは多岐にわたります。
Access & Information
奄美大島へのアクセス・観光情報
- 場所
- 世界遺産に指定されているのは奄美大島のほか、徳之島、沖縄島北部および西表島の主に亜熱帯照葉樹林が広がる一部区域
- アクセス
- 東京・大阪・福岡などから飛行機の直行便。東京からは約2時間30分、大阪からは約1時間45分
- ベストシーズン
- 3月〜4月
- 周辺スポット
- 奄美大島からフェリーで約20分の加計呂麻島(かけろまじま)が穴場。エメラルドグリーンの海と白い砂浜は必見
まとめ
緩やかに流れる島時間
奄美大島の自然は穏やかさが魅力。沖縄に比べて観光客も少ないため、この島にいると、時の流れがとても緩やかに感じられます。東京23区を少し広くした程度の面積なので、名所をめぐるにしても、あくせくする必要はなし。何もせず海辺でくつろぐだけでも、プライベートビーチにいるような安らぎとぜいたく感を得られることでしょう。4月の奄美大島は暑くもなく寒くもない最高のシーズン。たまには都会の喧騒を離れ、南国で非日常に浸ってみませんか。
奄美大島の情報は、「あまみの、」(https://www.amami-tourism.org/)で確認を
Text by Keita Okabayashi
Design by Takanobu Higuchi
Edit by Hajime Sasa(Rhino)