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ふれあい 2026年5月号 Vol.130

連載 Series

世界遺産でめぐる日本再発見の旅 World Heritage Japan メイン画像①

世界遺産でめぐる日本再発見の旅 World Heritage Japan

日本には、自然遺産と文化遺産を合わせて26の「世界遺産」があり、おのおのが美しい景観と
独自の文化を誇っています。それらを旅しながら、日本の魅力を再発見しませんか?
今回ご案内するのは岩手県の平泉です。

Vol.3

平泉[岩手県]

日本地図 平泉

世界遺産協会 常任理事
片岡 英夫さん

世界遺産検定マイスター1期生、初代海外·旅行地理名誉博士、国立公園検定エキスパート1期生。道の駅オライはすぬま観光大使。世界遺産関連の書籍監修多数。

Travel Guide 教えてくれたのはこの方 片岡 英夫さん
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Scene 01

岩手県・平泉とは

奥州藤原氏が平安末期に
“理想世界”を表現した地

平泉は、仏教とともに伝来した浄土思想(死後に極楽浄土へ生まれ変わることを願う教え)に基づいて平安時代に造られた寺院や庭園が、良好な状態で保存されている点などが評価され、2011年に世界遺産に登録されました。中尊寺、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山。この5つの構成資産から成る理想世界の表現は、海外からの影響を受けつつ平安時代の日本で独自の発展を遂げたもので、後の日本文化、特に鎌倉文化に大きな影響を与えました。

奥州藤原氏が平安末期に“理想世界”を表現した地 イメージ画像①
中尊寺と毛越寺のほぼ中間に位置する金鶏山。「平泉を守るために黄金の鶏を埋めた」という伝説も
奥州藤原氏が平安末期に“理想世界”を表現した地 イメージ画像②
毛越寺の本堂は、平安様式の建物で、平成元年に再建。本尊は薬師如来で、平安時代の作

Scene 02

専門家が語る平泉の魅力とは

かつてこの地にあの人が !
そう思うと旅は楽しい

平安末期に栄華を極めた奥州藤原氏。その初代清衡(きよひら)が、「戦いで命を奪われた者の霊を慰め、平和な理想社会(仏国土)を築きたい」との思いから平泉の街づくりを始めました。源義経はこの地で非業の死を遂げ、源頼朝により奥州藤原氏は滅ぼされましたが、平泉には今も当時の面影が残っており、それがロマンをかき立てます。「夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡」。平泉を訪れた松尾芭蕉はそんな句を詠みましたが、さて、あなたは何を感じるのか? 歴史に思いをはせながら街をめぐってみましょう。

かつてこの地にあの人が!そう思うと旅は楽しい イメージ画像①
かつてこの地にあの人が!そう思うと旅は楽しい イメージ画像②

義経最期の地・高館義経堂。芭蕉がかの句を詠んだ場でもある。眼下には北上川と束稲山と田園が広がる

Travel Route

平泉の楽しみ方

一日でめぐる、
平泉の理想のルート

AM 9:00

無量光院跡

無量光院(むりょうこういん)跡は、三代秀衡(ひでひら)によって造営された寺院の遺跡。奥州藤原氏滅亡後、伽藍(がらん)が消滅・荒廃し、池は水田化したが、遺跡は良好な状態で保存されている

無量光院跡 イメージ画像

AM10:00

中尊寺

建物の内外に施された金箔の装飾や螺鈿細工など、平安時代末期の工芸の粋を集めた豪華絢爛な空間。創建者の初代清衡、二代基衡(もとひら)、三代秀衡の遺体と四代泰衡(やすひら)の首が納められている

PM1:00

毛越寺

今年は5/24(日)の午後1時から「曲水(ごくすい)の宴」(写真参照)が開催される予定

※曲水の宴を見学しない場合の所要時間は、約1時間程度

中尊寺 イメージ画像

PM4:00

観自在王院跡

二代基衡の妻が造営した寺院の遺跡。浄土庭園の遺構はほぼ完全な形で保存され、今は公園として整備されている

観自在王院跡 イメージ画像

名所がコンパクトにまとまっているため、平泉駅前でレンタルサイクルを借りて周遊するのがおすすめ。新緑の今の時季は寺院や庭園の美しさが特に映えます。毎年5月の第4日曜日には奥州藤原氏の文化的な隆盛を現代に伝える「曲水の宴」が毛越寺で開催されるので、こちらもぜひ鑑賞を。衣冠や十二単(じゅうにひとえ)をまとった歌人が平安貴族の歌遊びを再現。平泉の歴史とみやびを体感できる貴重な機会です。周遊を終えたら金鶏山近くの温泉で疲れを癒やしましょう。

Access & Information

平泉へのアクセス・観光情報

場所
岩手県西磐井郡平泉町
アクセス
JR東北新幹線の一ノ関駅から、JR東北本線に乗り換えて平泉駅で下車
ベストシーズン
4月〜5月の新緑期
10月下旬〜11月上旬の紅葉期
周辺スポット
一関・厳美渓名物の空飛ぶだんごが面白い。対岸からロープ伝いにだんご入りのカゴが飛んでくる

まとめ

歴史小説で旅の予習を

文化と自然が調和した平泉の景観は美しく、ただ眺めているだけでも心が洗われるような気持ちになりますが、この街が成り立った歴史的背景を理解していると、旅がさらに味わい深いものになることでしょう。歴史に詳しくないという方は、ここを訪れる前に、奥州藤原氏の栄枯盛衰を描いた『炎立つ』(高橋克彦)や、平泉にゆかりの深い源義経の生涯を描いた『義経』(司馬遼太郎)などの小説を読んでおくと良いかもしれません。

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平泉のイベント・グルメ・宿泊などに関する情報は、ひらいずみナビ(https://hiraizumi.or.jp/)で確認を

Text by Keita Okabayashi
Design by Takanobu Higuchi
Edit by Hajime Sasa(Rhino)

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